水戸黄門の歴代格さん一覧!印籠秘話や実在モデルと俳優の現在
国民的時代劇として半世紀以上にわたり日本のお茶の間を魅了し続けてきた『水戸黄門』。黄門様の右腕として旅を支える「助さん・格さん」のコンビにおいて、クライマックスで印籠を掲げ、悪徳代官や悪徳商人を一喝する「格さん(渥美格之進)」は、まさに正義と秩序の象徴として圧倒的な存在感を放ち続けてきました。
「この紋所が目に入らぬか!」という名台詞とともに印籠を突き出すあの決定的瞬間は、どのようにして生まれ、歴代の名優たちへ受け継がれてきたのでしょうか。本稿では、歴代格さんを演じた俳優陣の歩みと2026年現在の活動状況、印籠シーンに隠された知られざる撮影秘話、実在したモデル「安積澹泊」の真実、そして助さんとの役割の違いまで、一次資料や当時の証言をもとに徹底的に解き明かします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:歴代格さんは初代・横内正から的場浩司まで個性豊かな名優が歴任し、最長出演は17年間(計597回)を務め上げた伊吹吾郎。
- 要点2:象徴的な「印籠掲示」は放送初期から格さん固定ではなく試行錯誤の賜物であり、格さんのアクションが「柔術・素手」中心である理由も明確なキャラクター設定に基づいている。
- 要点3:実在モデルは『大日本史』編纂の重鎮・安積澹泊であり、歴代キャスト陣は2026年現在も舞台・映像・朗読劇など多方面で第一線の表現者として精力的に活躍中。
【歴代格さん一覧】国民的時代劇を支えた名優たちの系譜
TBS系ナショナル劇場およびパナソニック ドラマシアター枠で放送された『水戸黄門』地上波レギュラーシリーズにおいて、渥美格之進役を務めた俳優は歴代で計6名(その後のBS-TBS版を含めると7名)存在します。歴代のキャスティングを振り返ると、昭和から平成、そして令和へと時代が移り変わる中で、求められる「堅物で実直な青年武士像」が少しずつ進化してきた軌跡が見て取れます。
| 代数・俳優名 | 出演期間・担当部 | アクションと演技の特徴 | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| 初代:横内正 | 第1部〜第8部 (1969〜1978年) | 凛とした端正な美声、知性と武士の気品を兼ね備えた正統派スタイル | 草創期の格さん像を確立。杉良太郎・里見浩太朗の助さんと完璧な調和を魅せた名演。 |
| 2代目:大和田伸也 | 第9部〜第13部 (1978〜1983年) | 長身を活かした力感あふれる立ち回り、青年武士らしい熱血さと爽やかさ | 歴代最高視聴率43.7%(1979年・第9部)を記録した黄金期を牽引した立役者。 |
| 3代目:伊吹吾郎 | 第14部〜第28部 (1983〜2000年) | 圧倒的な体格と重厚な低音ボイス、敵を投げ飛ばす豪快無比な柔術アクション | 足かけ17年にわたり演じ、「格さん=伊吹吾郎」の世間的イメージを決定づけた金字塔。 |
| 4代目:山田純大 | 第29部〜第31部 (2001〜2003年) | 鋭利な眼光と若々しい敏捷性、ストイックで武骨なリアリズム重視の佇まい | 21世紀の幕開けに伴い、黄門様(石坂浩二・里見浩太朗)とともに新時代を拓いた挑戦。 |
| 5代目:合田雅吏 | 第32部〜第41部 (2003〜2010年) | 長身痩躯のスマートなビジュアル、丁寧で洗練された所作と清潔感ある語り口 | 約7年間にわたり原田龍二(助さん)と屈指の美男子バディを組み、女性ファン層を拡大。 |
| 6代目:的場浩司 | 第42部〜第43部 (2010〜2011年) | 野性味と義侠心、情に厚く荒々しいパワーファイトで悪を制圧する武闘派 | 地上波レギュラー最終章を飾り、これまでにない力強さと親しみやすさを提示。 |
初代の横内正が築いた「凛とした忠臣」の骨格を、2代目の大和田伸也が熱血の躍動感で押し広げ、3代目の伊吹吾郎が不動の重厚さで完成させました。その後、4代目の山田純大、5代目の合田雅吏、6代目の的場浩司へとバトンが渡るにつれ、それぞれの時代が求めるリアリティと人間味が吹き込まれていったのです。

「この紋所が目に入らぬか」印籠シーン誕生の舞台裏と知られざる真実
『水戸黄門』のクライマックスといえば、八ツ時(午後4時頃の約束事とされるドラマ内時間)に鳴り響く「静まれ、静まれ! この紋所が目に入らぬか!」の怒号です。しかし、この様式美は最初から決まっていたわけではありません。
番組開始当初の第1部(1969年)を検証すると、意外な事実が浮かび上がります。当時は物語の決着方法が毎回固定されておらず、黄門様自身が懐から印籠を取り出して見せる回や、なんと助さん(杉良太郎)が印籠をかざす回すら存在していました。さらに、印籠を出さずに水戸藩の身分を口頭で明かすだけの結末や、悪人を成敗してそのまま立ち去るハードボイルドな展開も少なくありませんでした。
では、なぜ「格さんが印籠を掲げる役」として定着したのでしょうか。制作陣の証言や当時の制作記録によれば、そこには極めて緻密な劇的計算がありました。
- 視覚的フォーメーションの黄金比:殺陣のクライマックスにおいて、華麗な太刀筋で悪人たちを斬り伏せて前線に立つ助さんに対し、黄門様の直前で身を挺して護衛する位置にいたのが格さんでした。中央奥に控える黄門様と、前線で構える格さんの距離感が、印籠を掲げて場を制圧する際に最も美しい構図を生み出したのです。
- 性格設定の親和性:派手で女好きな助さんよりも、几帳面で法と秩序を遵守する格さんのほうが、「徳川の権威を象徴する公的アイテム」を預かる管理役として説得力がありました。劇中でも格さんは越後のちりめん問屋の手代(番頭)として金銭管理や旅日記を記録しており、貴重品である印籠の保持者に最適だったのです。
現場では、印籠の出し方ひとつにも役者ごとの美学が注ぎ込まれました。伊吹吾郎は当時のインタビューにおいて、「ただ前に突き出すのではなく、一度胸元に引き寄せてから、全身の力を腕に乗せて水平に押し出す。葵の御紋が照明を反射してキラリと光る角度をミリ単位で計算していた」と回想しています。あのわずか数秒のカットには、職人技とも言える俳優とカメラマンの呼吸が凝縮されていたのです。
【助さん格さんの決定的な違い】真面目な格さんと軟派な助さんの役割分担
劇中でうっかり八兵衛から「助平助さん、堅物格さん」と冷やかされるように、両者のキャラクター造形は徹底した対比(コントラスト)で描かれています。この役割分担の違いを理解すると、ドラマの構造がより立体的に見えてきます。
最も顕著な違いはアクションの流儀にあります。助さんが「刀を用いた華麗な剣術」の達人であり、峰打ちを用いながらも鋭利な太刀筋で多数の敵を翻弄するのに対し、格さんは原則として「素手による柔術・徒手空拳」で戦います。悪人の腕をへし折り、襟首を掴んでダイナミックに宙を舞わせる怪力無双のアクションこそが格さんの真骨頂です。帯から手拭いを取り出して敵の刃を絡め取るなど、無駄な殺生を徹底して避ける実直な武道精神がアクション設計に組み込まれていました。
また、旅における実務的な役割分担も対照的です。助さんが立ち寄り先の町娘や芸者と浮名を流し、土地の世情や事件の端緒をキャッチする「情報収集・潜入捜査」を担う一方、格さんは常に一行の財布(路銀)を握り、宿の手配や日誌の執筆に追われます。黄門様が無茶な寄り道や散財を提案した際、「ご老公、これ以上の出費は路銀が持ちませぬ!」と真っ向から苦言を呈するブレーキ役こそが、渥美格之進という男の真価でした。

格さんの実在モデル「安積澹泊」とは?水戸藩の学者が見せた本当の姿
講談やドラマにおける渥美格之進には、明確な歴史的モデルが存在します。それが、徳川光圀の側近として仕えた水戸藩の儒学者・安積澹泊(あさか たんぱく/通称:覚兵衛)です。助さんのモデルである佐々宗淳(さっさ むねきよ/通称:介三郎)とともに、光圀の天下事業を支えた大立者でした。
史実における安積澹泊は、ドラマのような屈強な武闘派戦士ではなく、当代屈指の碩学(せいがく)でした。光圀が創設した彰考館(しょうこうかん)において、日本の正史を編纂する国家的一大プロジェクト『大日本史』の総裁(編纂責任者)を務め、晩年まで学問の発展に身を捧げた人物です。
光圀の信頼は絶大であり、澹泊は光圀の思考や政治思想を最も深く理解する側近でした。諸国漫遊の旅そのものは講談による後世の創作ですが、安積澹泊や佐々宗淳が史料収集や古記録調査のために京都、奈良、北陸など日本各地を実際に旅して回った記録は実在します。現地で古文書を丹念に調査し、学者や神職と交流して得た知見を持ち帰る彼らの姿が、やがて民間伝承と結びつき、「諸国の悪を懲らしめる名補佐役」へと昇華していったのです。
【2026年最新】歴代格さん俳優陣の現在とレジェンドたちの今
放送開始から長い年月が経過した2026年現在、国民的ヒーローを演じた歴代俳優陣はどのような歩みを進めているのでしょうか。公の場での発言や最新の活動状況から、名優たちの現在地を追いました。
初代:横内正(現在80代半ば)
俳優座出身の重鎮として、80代半ばを迎えた現在も圧倒的な声量と知性を誇ります。自身の劇団やプロデュース公演でシェイクスピア劇などの演出・主演を精力的に手掛けるほか、朗読劇の舞台にも立ち続けています。「格さんを演じた日々の厳格な所作と発声の訓練が、俳優人生すべての礎になっている」と公の対談でも語るなど、生涯現役の表現者として後進の指導にも尽力しています。
2代目:大和田伸也(現在70代後半)
70代後半となった今も、映画、テレビドラマ、吹き替え、ナレーションと多岐にわたり大活躍を続けています。ディズニー映画『ライオン・キング』のムファサ役をはじめとする重厚な低音ボイスはもちろんのこと、バラエティ番組やSNS、動画配信プラットフォームで見せる朗らかで気さくなキャラクターがお茶の間に愛され続けています。「格さん時代に培った豪快な笑顔と感謝の心」を今も大切に持ち続けています。
3代目:伊吹吾郎(現在80歳)
2026年に80歳という節目を迎えた伊吹吾郎は、まさに生けるレジェンドです。時代劇のみならず、映画や特撮作品(『侍戦隊シンケンジャー』の日下部彦馬役など)でも重厚な指導者役を好演。バラエティ番組では持ち前の低音を活かしたユーモラスな一面を披露し、幅広い世代に認知されています。「17年間、印籠の重みと向き合ってきたことが私の誇り」と語り、昭和・平成の時代劇文化の語り部として確固たる存在感を示しています。
4代目〜6代目:山田純大・合田雅吏・的場浩司の現在
4代目の山田純大は、持ち前の語学力とシャープな身体能力を活かし、現代劇のサスペンスや刑事ドラマで骨太なバイプレイヤーとして欠かせない地位を確立。ノンフィクション作家としての顔も持ち、文筆活動でも高い評価を得ています。
5代目の合田雅吏は、舞台を中心に深みのある演技を重ねる一方、出身地である神奈川県小田原市の観光大使を務めるなど地域文化の発信にも貢献。洗練されたスタイルと誠実な人柄は今も健在です。
6代目の的場浩司は、強面のビジュアルと温かな人情味を武器に、舞台の座長公演や映画で精力的に活動。スイーツ愛好家としての独自ポジションも保ちつつ、情熱的な人間ドラマを紡ぎ出す役者として円熟味を増しています。

一般に知られていない盲点とネットの誤解|「格さんはいつも怒っている」のか?
ネット上の感想やパロディ作品などでは、「格さんはいつも眉間にシワを寄せて怒っている堅物」「融通の利かない石頭」というパブリックイメージで語られがちです。しかし、実際の作品群を丁寧に見返すと、その認識には明らかなギャップが存在します。
劇中の格さんは、単なる怒り役ではありません。むしろ、旅先で出会う市井の民の理不尽な境遇に人知れず涙を流し、身分を隠さねばならないジレンマに最も苦悩する「誰よりも人情に脆い青年」として描かれています。黄門様が悪人を懲らしめる際、法的な整合性や幕府の秩序を気に病むのも、私怨や暴力による解決を戒め、公儀の公正さを守ろうとする責任感の裏返しでした。表面的な厳格さの奥にある、人間的な優しさと葛藤こそが格さんの真の魅力なのです。
【プロの結論】名バディの組織論から学ぶ現代社会の人間関係と役割分担
『水戸黄門』における助さん・格さんの関係性は、単なるフィクションの枠を超え、現代の組織論や対人関係における理想的なバディシップの原型を示しています。
心理学や社会学の観点から見ると、助さんと格さんは「健全な心理的バウンダリー(役割の境界線)」を保ちながら、互いの欠点を補い合う完璧な補完関係にあります。外交的でリスクを恐れず現場に飛び込む「助さんタイプ」と、内省的で規律を守りリスクを管理する「格さんタイプ」。どちらか一方だけでは組織は崩壊します。助さんだけなら一行は路銀を使い果たして破産し、格さんだけなら頑なすぎて事件の突破口を見つけられません。
異なる資質を持つ二人が互いの専門領域を尊重し、リーダー(黄門様)の理念のもとで役割を全うする姿は、現代のビジネスチームや人間関係においても極めて実践的な教訓を与えてくれます。
【鑑賞に向いている人・慎重になるべき人の判断基準】
- 心からおすすめできる人:勧善懲悪の明確なカタルシスを味わいたい人、昭和・平成の熟練俳優による本格的な所作や立ち回りを堪能したい人、組織におけるチームワークや信頼関係の理想像を学びたい人。
- 慎重になるべき人:複雑に入り組んだ伏線回収や、後味の悪さを楽しむダークサスペンスを好む人、リアリズムのみを追求した徹底的な史実再現ドラマを求めている人。
【水戸黄門 格さん】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:印籠を掲げる際の決め台詞の正確な全文はどのようなものですか?
A1:代や脚本によって細かな語句の違いはありますが、最も定着している定番の口上は「静まれ、静まれ! 静まれぃ! この紋所が目に入らぬか! こちらにおわすお方をどなたと心得る。畏れ多くも先の副将軍、水戸光圀公にあらせられるぞ! 一同、ご老公の御前である、頭が高い、控え居ろう!」という流れです。この一連の口上により、悪人たちが一斉に平伏します。
Q2:歴代で最も長く格さんを演じた俳優は誰ですか?
A2:3代目の伊吹吾郎です。1983年の第14部から2000年の第28部まで、足かけ17年間にわたり格さんを務めました。通算出演回数は597回にのぼり、世間に「格さん=筋骨隆々で重厚な武士」というイメージを完全に定着させました。
Q3:史実やドラマ設定上、助さんと格さんはどちらの身分が上だったのですか?
A3:ドラマの設定上、二人の武士としての身分や禄高(石高)はほぼ同格として扱われています。ただし、史実のモデルとなった人物を比較すると、安積澹泊(格さん)は彰考館総裁を務め、佐々宗淳(助さん)も同館の総裁職を務めており、両者ともに水戸藩を代表する儒学者・側近として重用されていました。年齢としては安積澹泊のほうが16歳ほど若く、佐々宗淳の没後も長く光圀の編纂事業を支えました。
まとめ:時代を超えて愛される「格さん」という不滅の鑑
『水戸黄門』における格さん(渥美格之進)は、単に印籠を突き出す装置ではなく、規律と誠実さ、そして不条理に対する怒りを一身に背負ったドラマの道徳的支柱でした。横内正から的場浩司に至るまで、歴代の俳優たちが注ぎ込んだ情熱と肉体表現があったからこそ、あの印籠シーンは今なお日本人の心に鮮烈なカタルシスを残し続けています。
2026年の現在においても、動画配信サービスや再放送、CS放送などを通じて『水戸黄門』の魅力は色あせることなく再発見されています。旅の記録を几帳面に記し、路銀をやりくりしながら、悪の前には毅然と立ちはだかった格さんの背中から、私たちが学べる誠実さの価値は決して色あせることはありません。 (出典: 水戸 黄門 格 さん(Yahoo!ニュース))